エリスリトール

エリスリトール

エリスリトールはカロリーゼロ※の甘味料です。
あっさりとした引きのない味質が特長で、高甘味度甘味料との併用により後味などの癖を改善します。また溶解時の吸熱作用が高いため、口に入れた際の冷涼感も魅力の1つです。
※「食品表示基準」による難消化性糖質のエネルギー換算係数において0kcal/gに設定されています。

エリスリトールの様々な特徴

主な特徴

カロリーゼロ
甘味度は砂糖の約75%
非う蝕性
大きな冷涼感が得られる
血糖値,インスリン濃度を上げない
吸湿性が低く取り扱いが容易
味質を改善する(高甘味度甘味料との組み合わせ相性がよい)
緩下作用が小さい

私たちの身近に存在するエリスリトールとその製造方法

植物及び食品中のエリスリトール含有量

植物及び食品の種類含有量
地衣類
アサの葉
キノコ
0.3~5 %
0.1 %
2~4 %
赤ワイン
白ワイン
清酒
醤油
170 mg/l
280 mg/l
150~180 mg/l
910 mg/l

製造法:酵母による発酵

エリスリトールは発酵食品に含まれている糖質です

糖アルコールに分類される甘味料で、果実やキノコの他、ワイン・清酒・醤油・味噌などの発酵食品に含まれている糖質であり、十分な食経験が積み重ねられた食品です。
ぶどう糖を原料として酵母を用いた発酵により生産されます。
エネルギー値0kcal/gの糖質です。
優れた生理学的特長を持つ『健康志向の食品素材(砂糖代替甘味料)』です。

特長

  1. さわやかな甘味:甘みの強さは、砂糖の約75%です。 すっきりした後味が特長で、清涼飲料、お菓子、卓上甘味料などに幅広くお使いいただけます。
  2. 虫歯の原因になる酸を作らない:虫歯の原因は、歯垢中の虫歯菌が、砂糖等から酸を作り出すためだと考えられています。 エリスリトールは、この酸を作らないことが確かめられています。
  3. 糖代謝に影響を与えない:糖代謝に影響を与えないため、病者用食品への利用などにもお使いいただけます。
  4. 緩下作用が弱い(=下痢を起こしにくい): 糖アルコールを多量摂取すると、一時的におなかが緩くなることが知られています。 (この現象は、専門的には『緩下作用』と呼ばれています) 糖アルコールの種類によって、緩下作用を引き起こす摂取量に差があることが科学的に確かめられています。この研究結果によると、エリスリトールは最も緩下作用を起こしにくい糖アルコールの1つであることが示されました。

エリスリトールはゼロカロリーの食品です

各種甘味料の相対甘味度とエネルギー換算係数を表にまとめました。相対甘味度:ショ糖の甘さを100%とした場合の、相対的な甘みの強さをあらわします。

各種甘味質の相対甘味度とエネルギー換算係数

各種糖質の特性一覧

甘味料の種類ショ糖に対する相対甘味度
(ショ糖=100)
エネルギー換算係数う蝕性緩下作用の無作用量
(男性:g/体重kg)
ショ糖1004 kcal/gう蝕性なし
果糖100 ~1704 kcal/gう蝕性なし
異性化糖
(75 Brix)
 50 ~ 804 kcal/gう蝕性なし
マルチトール 60 ~ 802 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
ラクチトール 30 ~ 402 kcal/g非う蝕性0.075g/kg
パラチニット 30 ~ 402 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
ソルビトール 60 ~ 703 kcal/g非う蝕性0.15g/kg
キシリトール1003 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
エリスリトール 75 ~ 850 kcal/g非う蝕性0.66g/kg
トレハロース 504 kcal/g非う蝕性0.60g/kg

出典:(株)食品化学新聞社 月刊フードケミカル'99年9月号 P21

出典:CMPジャパン(株) 食品と開発 Vol.33 No.11,1998

エリスリトールの用途

分類用途例使用効果
低カロリー化非う蝕性冷涼感低吸湿性低緩下性矯味・調味
水和作用
糖尿病患者用
甘味料
飲料●清涼飲料    
●乳飲料,ヨーグルト    
●コーヒー飲料    
●アルコール飲料    
●栄養ドリンク   
和洋
菓子
●チョコレート 
●チューインガム 
●キャンディー 
●錠菓 
●冷菓   
●餅,求肥    
●あん,水ようかん    
●ゼリー    
●ケーキ上かけ、
フォンダン
   
健康
食品
●ノンカロリー食品
●ノンカロリー飲料   
●ダイエット食品
●ダイエット飲料   
卓上
甘味料
●ノンカロリー甘味料 
●ダイエット甘味料 

特定保健用食品・病者用食品素材としての利用

エリスリトールは特定健康用食品あるいは病者用食品の素材としてご利用できます。 保健の機能は以下の項目です。

  • 虫歯の発生の低減あるいは軽減(特定健康用食品)
  • エネルギー摂取の低減・肥満の低減に適する甘味料(病者用食品)
  • 糖尿病患者に適する砂糖代替甘味料(病者用食品)

※機能を謳うためには厚生省の認可が必要です。

エリスリトールの体内動態

経口で摂取されたエリスリトールは、小腸で非常によく吸収され血中に移行します。しかし、血中では代謝されずに、摂取したエリスリトールの90%以上が尿中に排泄されます。 また、一部(数%程度)は無変化のまま糞便中に排泄されますが、残りは大腸下部で微生物の作用により消化され、短鎖脂肪酸などの有機酸が産生しますので、ヒトがエネルギーとして利用する可能性があります。

エリスリトールの体内動態図

エリスリトールの体内動態図(作図:元 東京大学医学部保健栄養学教室 奥 恒行先生)

非う蝕性と各種糖質の特性一覧

非う蝕性

エリスリトールは口中の細菌には利用(資化)されず、虫歯の原因となる酸を産生しません。 図はエリスリトールの溶液に歯垢を反応させても酸の産生がなく、エナメル質が溶け出すpH5.7以下にならないことを示しています。 エリスリトールは非う蝕性を目的とした『特定保健用食品の素材』としてご利用できます。

酸産生性スクリーニング試験

各種糖質の特性一覧

甘味料の種類ショ糖に対する相対甘味度
(ショ糖=100)
エネルギー
換算係数
う蝕性緩下作用の無作用量
(男性:g/体重kg)
ショ糖1004 kcal/gう蝕性なし
果糖100 ~1704 kcal/gう蝕性なし
異性化糖(75 Brix) 50 ~ 804 kcal/gう蝕性なし
マルチトール 60 ~ 802 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
ラクチトール 30 ~ 402 kcal/g非う蝕性0.075g/kg
パラチニット 30 ~ 402 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
ソルビトール 60 ~ 703 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
キシリトール1003 kcal/g非う蝕性0.30g/kg
エリスリトール 75 ~ 850 kcal/g非う蝕性0.66g/kg
トレハロース 504 kcal/g非う蝕性0.60g/kg

出典:(株)食品化学新聞社 月刊フードケミカル99年9月号 P21

使用上の注意

以下は、当社エリスリトール製品に限定した話ではなく、一般的にエリスリトールという物質に対して注意されている内容です。

緩下作用について

  • エリスリトールは他の糖アルコールと同様に、大量に摂取すると体調や体質により緩下作用(下痢)を起こすことがありますが、これは一過性であり心配ありません。
  • 一度に摂取した時の緩下作用を起こさない単位体重あたりの量(最大無作用量)は、わが国での研究によると、成人男性で0.66g/kg体重、成人女性で0.80g/kg体重と報告されています(Nutrition Research, Vol.16, No.4, 1996)。 エリスリトールは糖アルコールの中では、最も緩下作用を発現しにくいと考えられます。
  • 成人男性の体重を60kg、成人女性の体重を50kgとして考えると、成人における摂取限度量は約40gと考えられます。
  • 分割摂取による1日当たりの最大無作用量はこれよりも大きいと考えられますが、信頼できるデータがありませんので、成人に対しては40gを1日あたりの摂取限度量としてご検討ください。
  • JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)

アレルギーについて

エリスリトールは、ごく低頻度ですがアレルギー反応を起こすことがあり、症例の報告がなされています(The Journal of Dermatology; Vol.27, 163-165, (2000)、Journal of Allergy and Clinical Immunology, Vol.108, No.4 650(2001)等)。アレルギー反応がおこる理由(機構)はまだわかっておりません。アレルギー症状が出た場合には、摂取を控えていただき、医師へ相談いただきますようお願いします。

その他の糖質製品

その他の関連する製品一覧です。

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