
リョートー™ポリグリエステルの製法と構造
リョートー™ポリグリエステルは、植物由来のグリセリンを脱水縮合したポリグリセリンの水酸基の一部または全部を、同じく植物油脂由来の脂肪酸でエステル化したものです。親水基のポリグリセリンは平均重合度が10(Deca)で、かつ分布があり、そこに疎水基である脂肪酸が様々な比率でエステル化していることで、結果多くの種類の構造式を持ったエステルの混合物となり、多様な機能を持った製品となっております。更に、弊社独自の製法と品質管理によって風味の改善と、安定した品質コントロールを実現しました。


リョートー™ポリグリエステルの機能(特長)
リョートー™ポリグリエステルは、親水基であるポリグリセリンの特徴により、ショ糖脂肪酸エステルに比べても耐酸性や耐塩性が高く、酸性飲料や調味料などで幅広く応用可能です。更に、同じく親水基であるポリグリセリンが高分子で鎖状の構造を取ることにより、O/W乳化においては、分厚い水和層を形成することによる乳化安定化や、脂肪酸鎖長を短くすることで可溶化能に優れるという性質を持ちます。
シュガーエステルとポリグリエステルの比較
可溶化に適したポリグリセリンエステル
リョートー™ポリグリエステルの銘柄一覧
リョートー™ポリグリエステルは、脂肪酸の種類(ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸など)とHLB値により、幅広い銘柄を取り揃えています。HLB値は親水性と親油性のバランスを示し、用途に応じた銘柄選択が可能です。
リョートー™ポリグリエステルの製品ラインナップ
構成脂肪酸 | HLB | |||||||||
≦3 | 4 | 5 | 7 | 11 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | |
ラウリン酸 C12 | CA-F4 | L-10D | L-7D | |||||||
ミリスチン酸 C14 | M-10D | M-7D | ||||||||
ステアリン酸 C18 | SWA-20D | SWA-10D | ||||||||
オレイン酸 C18' | O-50D | O-15D | O-7D | |||||||
ベヘン酸 C22 | B-100D | B-70D |
リョートー™ポリグリエステル銘柄毎の用途
親水性のSWA-10DやSWA-20Dは、その水和力や耐酸性、耐塩性の高さを活かして、酸性乳飲料やソース、ドレッシング等の調味料の乳化安定に広く使用されています。同じく親水性のL-7DやM-7D、O-7Dなどは非常に高い親水性を活かして、香料や機能性成分の可溶化に応用されています。 一方で親油性のB-100DやB-70Dは、油脂の結晶化を促進したり、粘度を上昇させることができることから、チョコレートやチューブ調味料の物性改良などに使われます。 また、O-50Dは、油の界面張力を下げる機能を持ち、自己乳化性能を示すことから、機能性油や炊飯油の水への分散性向上に使われます。また、消泡機能もあるなど非常にユニークな特徴を持った乳化剤です。
酸性乳飲料におけるポリグリエステルの乳化安定効果
SEのみは完全に乳化が壊れ、クリームが分離している
POGEは乳化が安定で、クリーム再分酸性も良好
リョートー™ポリグリエステルによる液油の粘度調整(油中粉体分散)
米菓に対するリョートー™ポリグリエステルの応用 ー調味油浸透性向上ー
O-50Dをサラダ油に添加することで、煎餅への油の吸収速度が促進された。
リョートー™ポリグリエステルの使用方法と表示例
HLBの高い親水性の銘柄は、水に添加してください。HLBの低い親油性の銘柄は、油脂に添加してください。 どちらも添加したあと、ポリグリセリン脂肪酸エステルの融点以上(60℃~80℃)に加温し、よく撹拌溶解してからご使用ください。リョートー™ポリグリエステルには、銘柄によって粘度の高い半固体状の製品がありますが、加温することによって流動性が得られますので、小分けや秤量時には加温することをお勧めします。 本品を食品に使用した場合の表示は、原則として「グリセリン脂肪酸エステル」または「グリセリンエステル」ですが、乳化剤の目的で使用した場合は「乳化剤」という一括表示が可能です。また、ガムベースの目的で使用した場合には「ガムベース」と一括表示することができます。
リョートー™ポリグリエステルに関連する当社保有認証
リョートー™ポリグリエステルは、日本で食品添加物として認可されています。海外での認可状況及び各種宗教認証については、弊社営業担当者にお問い合わせください。
よくあるご質問
お客様から寄せられたご質問と、回答を掲載しています。